暗号資産取引所の口座開設、あなたはスムーズに完了できたでしょうか。
口座開設経験者のうち20.1%が「途中でつまずき、完了までに時間がかかった」と回答し、さらに5.5%は途中で開設を諦めているという結果が出ています。
また、最も多いつまずきポイントは「審査に時間がかかり不安になった(12.4%)」であり、初めての口座開設には見えないハードルが多く存在することが浮かび上がりました。
本調査では、508名の口座開設経験者を対象に、どのステップでユーザーが躓き、どのような心理的不安を抱えているのかを詳細に分析しました。取引所の改善すべき領域、顧客サポートの充実化、ユーザー教育の方向性を明確にするため、複合的なデータを集計・分析した結果を公表します。
調査属性
区分 | 回答数 | 構成比 |
|---|---|---|
男性 | 313名 | 61.6% |
女性 | 195名 | 38.4% |
口座開設状況

本調査では、暗号資産(仮想通貨)取引所における口座開設状況を包括的に分析しました。
調査対象者のうち、すでに口座開設を完了した層は約57.9%(294名)でした。
詳細を見ると「口座開設し、現在も利用している」層(182名、35.8%)と「口座開設したが、利用していない」層(84名、16.5%)に二分されます。
また、口座開設を途中でやめた層は(28名、5.5%)存在。注目すべきなのは、開設したが現在利用していない層(84名、16.5%)も存在するということです。
口座開設を経験していない層(214名、42.1%)が42%超という数値は、市場成長の余地が依然として大きいことを示唆しています。
ここからわかることは、暗号資産を保有するためには正しい知識が必要だとユーザーは潜在的に認識しているということです。
ユーザーの多くは口座開設から運用のプロセス全体において、透明性の高い取引を求めていることがわかりました。
口座開設プロセスの難易度実態

暗号資産(仮想通貨)取引所の口座開設プロセスは、複数のステップから構成されています。
申込フォームの入力、本人確認書類の提出、本人確認の実施、審査、システム設定など、各段階にユーザーが躓く可能性が存在していると考えられます。
本調査では、開設経験者294名に対して、プロセス全体の難易度について詳細に質問しており、その結果、プロセスを「スムーズに完了できた」と回答した層は(72名、14.2%)にとどまりました。
一方で、「途中でつまずき時間がかかった」という回答が(102名、20.1%)に達しており、5人に1人の割合で円滑でない開設経験をしていることが明らかになりました。
さらに注目すべきは、「少し迷ったが完了した」という層が(94名、18.5%)存在することです。これらのユーザーは最終的には開設に成功していますが、過程における心理的負担や時間的負担が発生おり、つまり、完了者の中でも54.3%が何らかの困難を経験しているということになります。
つまずきポイントランキング

では、ユーザーが口座開設プロセスでどのような課題に直面しているのでしょうか。複数回答の形式で、開設経験者294名に対して詳細に質問しました。
最も多いつまずきポイントは「審査に時間がかかり不安になった」で(63名、12.4%)です。これは技術的な問題というより、心理的な不安に関連するものといえます。
審査完了までにどの程度の時間がかかるのか、現在どのステップにあるのかという情報が不足していることに不安を抱えていることがわかります。
第二位は「写真撮影やアップロードがうまくできなかった」で(49名、9.6%)です。
これはデバイスの操作性、撮影環境、アップロード機能の使いやすさなど、技術的なハードルが存在することを示唆しており、第三位は「入力項目が多く面倒になった」で(48名、9.4%)です。
個人情報保護の観点から必要とされる情報が多いことは理解できますが、ユーザー側からすると、情報入力の負担が大きいという認識を持っていることが見えてきました。
手続き以外にも、口座開設では様々な不安がつきまといます。あなたが感じた不安はどれに当てはまりますか?
口座開設時の不安要因ランキング

プロセス上のつまずきとは別に、ユーザーが心理的にどのような不安を抱えているのかも重要です。
本調査では「口座開設時にどのような不安を感じたか」という質問を複数回答で実施しました。最も多い不安は「本当に安全な取引所かどうか」で(73名、14.4%)です。
これは、ユーザーが取引所の信頼性をどのように判断すればよいかわからないという状況を反映している数値です。
第二位は「詐欺やトラブルに巻き込まれるのではないか」で(68名、13.4%)です。
暗号資産業界には詐欺事案が発生する可能性があることを、ユーザーは認識しており、特に初心者ユーザーはこうしたリスクを懸念する傾向があります。
第三位は「セキュリティ対策が十分か」で(61名、12.0%)です。個人情報の漏洩、アカウント乗っ取り、資金流出などのリスクに対する懸念が存在しています。
これらの不安を払しょくするには、透明性が高く、個人上保護の観点からも安心して利用できる取引所を選定する必要が出てくるでしょう。
情報収集先ランキング

ユーザーが口座開設前にどのような情報源に依存しているかを把握することは、マーケティング戦略と顧客信頼構築の両面において重要です。本調査では「口座開設の情報をどこから集めたか」という質問を複数回答で実施しました。
最も多い情報源は「ニュースサイト」で65名(12.8%)です。業界ニュースや取引所レビュー、安全性についての記事などが、初心者ユーザーの判断に大きな影響を与えています。
第二位は「SNS」で62名(12.2%)です。X、Facebook、LINEなどのソーシャルメディアを通じた情報シェアが、特に若年層のユーザー獲得において重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
第三位は「専門メディア・ブログ」で55名(10.8%)です。暗号資産業界に特化したメディアやブロガーの意見が、意思決定に影響を与えていることが示唆されています。
世代別の口座開設経験クロス分析
口座開設経験は世代によって異なるパターンを示す可能性があります。本調査の回答者は以下の世代構成となっており、各世代ごとの経験を分析することで、年齢別の細かい情報がわかりました。
世代別の口座開設経験においては、Y世代(1981-1996年生まれ)がもっとも多く37.6%を占め、続いて氷河期世代(1970-1980年生まれ)が30.3%、Z世代(1997-2012年生まれ)が13.2%となっています。
困ったとき、あなたはどこに相談しましたか?実は、多くのユーザーがサポートをうまく活用できていないという現実があります。
サポート活用状況と需要
口座開設プロセスでつまずいたユーザーが、どの程度取引所のサポート機能を活用しているかは重要な指標です。
「サポート機能の利用状況」についての質問によれば、実際にサポート機能を利用した層は(64名、12.6%)にとどまっています。
一方で「利用したかったが使わなかった」という層が(38名、7.5%)存在しており、これはサポート機能の認知度、アクセス性、対応品質に課題がある可能性を示唆しています。
専門家相談サービスへの需要
口座開設時の不安や困難を解消するために、専門家による相談サービスへのニーズがどの程度存在するかについても調査しました。「ぜひ利用したい」と回答した層は62名(12.2%)、「機会があれば利用したい」という層は52名(10.2%)でした。
合計で22.4%のユーザーが専門家相談サービスへの潜在的な需要を示しています。
開設後の離脱問題(開設したが未利用16.5%の分析)
本調査で特に注目すべき点として、口座を開設したものの現在は利用していないという層が16.5%(84名)に上ることが挙げられます。
この層は、暗号資産取引に対する心理的なハードルを乗り越えて口座開設に至った人々です。言い換えれば、すでに「一歩を踏み出した」ユーザーであり、暗号資産市場に参入する可能性の高いユーザーとなります。
離脱の原因は、口座開設プロセスそのもののつまずきではなく、開設後の初回取引体験の難しさ、プラットフォームの機能の複雑さ、あるいは市場環境の変化にある可能性が高いと考えられます。
結論
口座開設プロセスは、ユーザーの初期体験を形成する重要な接点であり、その後の長期的な顧客関係を左右する決定的な要素だといえます。
本調査で明らかになったつまずきポイントとしては、心理的不安における離脱の可能性があるということ。
特に、本人確認書類の提出方法、審査プロセスの透明性、セキュリティ設定の簡素化といった領域での改善は、顧客獲得コストの削減、顧客定着率の向上といった幅広い視点から、ユーザーは暗号資産市場へ参入すべきかを判断しています。
本調査のデータが示すつまずきポイントを事前に知っておくことで、スムーズな開設が期待できます。本人確認書類の準備、審査期間の見込み、初期設定の手順——事前に把握しておくだけで、不安は大きく軽減されます。
調査概要
項目 | 詳細 |
|---|---|
調査対象 | 暗号資産(仮想通貨)取引所の口座開設経験者 508名 |
性別構成 | 男性: 313名(61.6%)、女性: 195名(38.4%) |
世代構成 | Y世代: 37.6%、氷河期世代: 30.3%、Z世代: 13.2%、バブル世代: 9.8%、新人類世代: 5.7%、その他: 3.4% |
口座開設状況 | 開設済み利用中: 182名(35.8%)、開設したが未利用: 84名(16.5%)、未開設: 214名(42.1%)、途中でやめた: 28名(5.5%) |
調査方法 | インターネットリサーチ(オンラインアンケート) |
調査時期 | 2026年2月 |
公開日 | 2026年2月24日 |
編集・作成 | 株式会社clabo編集部 |
本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。

