「NFT」「ステーキング」「DeFi」
これらの用語を耳にしたことはあっても、いざ人に説明しようとすると言葉に詰まったことはありませんか?
実はあなただけではありません。
1,314名を対象にした本調査では、「最も理解できていない」と感じる用語にDeFiが挙がった割合が23.2%にのぼり、ステーキング17.2%、NFT9.5%と続きました。
暗号資産市場の裾野が広がる一方で、周辺概念の理解は依然として大きく立ち遅れているのが現状です。あなた自身の理解度と照らし合わせながら、ぜひ本調査の結果をご覧ください。
暗号資産が投資対象として一般的になり始めて久しいが、その背後にある技術やメカニズムに対する理解度は依然として低い水準に留まっています。
NFT(非代替性トークン)は、デジタルアート市場での活用が話題になったことで認知度が高まった一方、その本質的な価値や用途を正確に説明できる人は限定的でしょう。
ステーキングは、保有する暗号資産から報酬を得るメカニズムとして認識される傾向があるものの、ブロックチェーンのバリデーション機構との関連性まで理解している層は少なくありません。
そしてDeFiに至っては、分散型金融という翻訳が概念の理解をさらに困難にしており、従来の金融と何が異なるのか、どのようなメリットがあるのかを把握している人の割合は著しく低いのが実態です。
調査属性
区分 | 回答数 | 構成比 |
|---|---|---|
男性 | 787名 | 59.9% |
女性 | 527名 | 40.1% |
投資経験者は55.9% 用語理解の状況は?

調査対象者のうち、投資経験を有する方は55.9%(735名)です。このうち、現在も投資している方が38.4%(504名)、過去に投資していたが現在はしていない方が17.6%(231名)となっており、相当数の方が暗号資産市場との接点を持つことが明らかでしょう。
一方、投資経験のない方(579名、44.1%)も相当数存在しています。
投資経験の有無は、新たな概念や用語に接する機会の多寡に直結します。投資経験者は相対的に多くの情報に接することで、NFT、ステーキング、DeFiといった概念に対する認識機会が増えるはずでしょう。
ところが、本調査の結果から見えてきたのは、投資経験者であってもこれらの用語に対する理解度が十分ではないという事実なのです。これは、単なる情報接触量の問題ではなく、概念の複雑性と、それを説明するコンテンツの質的な問題が存在することを示唆しています。
NFT(非代替性トークン)の理解度は?

NFT(Non-Fungible Token)は、ここ数年で特にメディア報道の対象となり、認知度は他の二つの用語よりも高いと考えられます。デジタルアート市場での活用例や、有名人によるNFT販売なども報道されており、「聞いたことがある」という層は相当数いるといえます。しかし、実質的な理解がどこまで進んでいるのかを調査してみました。
結果として、「だいたい理解している」という層が25.6%(336名)と最も多くなっています。これは、NFTが何らかの仕組みを持つデジタル資産であることについては認識されているものの、その具体的な用途やブロックチェーン上での位置付けについては、曖昧な理解に留まっている可能性が高いことを示唆しています。
また、「人に説明できる」という層が10.7%(141名)に過ぎないという点は、理解度の浅さを如実に物語っています。
ステーキングの理解度は?

ステーキングは、暗号資産を保有することで報酬を得るメカニズムとして理解されることが多いでしょう。
その実装方法はプロトコルによって異なり、プルーフオブステーク(PoS)やその派生形式など、複数のメカニズムが存在しますが、こうした技術的な詳細について理解している人は限定的でしょう。
本調査では、ステーキングに関する理解度をNFTと同等の低さで捉えています。
「だいたい理解している」という層が24.3%(319名)と、NFTとほぼ同等の水準となっており、より詳しい説明が可能な層(「人に説明できる」)は9.7%(128名)に過ぎません。ステーキングサービスを提供する取引所やプロバイダーが増える中で、ユーザーはこの概念を正確に理解しないままサービスを利用している可能性が高いです。
これは、リスク管理の観点から見ても懸念される状況といえるでしょう。
最も理解できていない用語ランキング

調査では、「最も理解できていない用語はどれか」という直接的な質問も行いました。
その結果、DeFiが圧倒的に「理解できていない」という回答を集めました。DeFiの認知度の低さと理解困難性は、これ以降の分析で詳しく取り上げることになります。
DeFi理解度が最も低い理由は?

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)は、この3つの中でも最も理解度が低い用語です。「最も理解できていない」という直接的な質問で23.2%もの人がDeFiを挙げており、その複雑性と認知度の低さが如実に表れています。
概念が抽象的で複雑であるため、メディアでの説明が難しく、また個人による解説も難解になりがちです。
DeFiの理解が困難な理由は、いくつかの要因が複合的に作用しているものと考えられます。
第一に、従来の金融システムとの比較が必要であるという点でしょう。DeFiの価値を理解するためには、中央集権的な金融機関の役割と、それを分散型のプロトコルで代替することの意味を把握する必要があります。
しかし、多くの人にとって銀行や証券会社の機能すら完全には理解されていないため、その分散化版を理解することはさらに困難なのといえます。
第二に、技術的な深さといえます。スマートコントラクト、リキュイディティプーリング、ガバナンストークンなど、DeFiを構成する要素は全て新規の概念であり、これらを一度に学習することは多くの人にとって負担が大きいのです。
情報収集先ランキング

では、人々はこれらの暗号資産関連の用語について、どこから情報を得ているのでしょうか。
複数回答で調査した結果、YouTubeが31.1%(408名)と最も多く、次いでSNS(20.2%、265名)、ニュースサイト(19.3%、253名)となっています。
これらの情報源の特性を分析すると、YouTubeは動画という形式により、テキストよりも理解しやすいコンテンツが作成可能です。
一方でSNSやニュースサイトは、より速度重視で、深度よりも最新性が重視される傾向があります。こうした情報源から得られる情報の質的なばらつきが、理解度の低さの一因となっている可能性は高いでしょう。
また、あなたが暗号資産投資で感じている不安はどこから来ているのでしょうか。多くのユーザーに共通する不安を一緒に確認してみましょう。
投資家の不安ランキング

用語理解の状況を把握する上で、投資家が何に不安を感じているかは重要な指標です。
本調査では複数回答で不安要因を調査しました。最も多かったのは「価格変動が激しい」(29.1%、383名)であり、次いで「詐欺や不正」(27.2%、357名)となっています。
これらの不安は、高度な用語理解とは別の次元での懸念事項ですが、信頼性の高いコンテンツを閲覧して情報を収集することで、不安を払しょくさせることが可能です。
世代別の用語理解度クロス分析
回答者の世代構成は、Y世代(1981〜1996年生まれ)が37.9%と最大セグメントであり、次いで氷河期世代(1970〜1983年生まれ)が28.2%となっています。
世代別に用語理解度がどのように異なるのかを分析することで、年代による関心度や学習機会の差が見えてくるでしょう。
世代 | 構成比 | NFTを説明できる割合 | ステーキングを説明できる割合 |
|---|---|---|---|
Y世代 | 37.9% | 13~15% | 11~13% |
氷河期世代 | 28.2% | 9~11% | 8~10% |
Z世代 | 15.8% | 12~14% | 10~12% |
バブル・新人類世代 | 15.2% | 6~8% | 5~7% |
経験年数と用語理解度の関係
投資経験がある方に対して、その投資経験年数も調査しました。経験年数別の構成は、1〜3年が19.8%(260名)と最も多く、1年未満が14.4%(189名)、3〜5年が12.8%(168名)、5年以上が8.3%(109名)となっています。
一般的には、投資経験年数が長いほど、用語理解度も高いと予想されます。5年以上の投資経験を有する層は、NFT、ステーキング、DeFiといった新しい概念が登場した後にも投資を継続している層であり、新規技術への適応力が相対的に高いと考えられるからでしょう。
一方、1年未満の短期経験層は、最近になって投資を始めた層であり、新しい概念に対する接触機会が相対的に多い可能性も存在します。
こうした関係性は、単純な直線的な相関ではなく、より複合的な要因に影響されていると言えるでしょう。
DeFiがなぜ最も難しいのか
前述した通り、DeFiの理解度が最も低いことが本調査から明らかになっています。その理由を、より深く分析してみましょう。
DeFi(分散型金融)の概念は、複数の技術的・経済的な要素を統合するものです。スマートコントラクトにより自動的に実行される金融ロジック、多数の参加者による流動性供給メカニズム、そしてガバナンストークンによる意思決定プロセスで構成されています。これらを全て理解した上で、DeFiの価値やリスクを評価することが必要です。しかし、多くの人にとって、こうした前提となる知識が不足しているのが現実なのです。
また、DeFiの具体例も、NFTやステーキングよりも日常的ではありません。NFTはデジタルアート市場での活用例で報道されることがあり、ステーキングは取引所の利息サービスとして体験可能でしょう。しかしDeFiは、レンディングプロトコル、AMM(自動マーケットメーカー)、デリバティブプロトコルなど、複数の形態が存在し、ユーザーが直感的に理解しやすい単一の説明が困難なのです。この多様性と複雑性が、DeFiの理解度を阻害する最大の要因と言えるでしょう。
用語理解と投資行動の関係
用語理解度が高いほど、投資に踏み切りやすいのでしょうか。それとも、投資経験そのものが理解度を高めるのでしょうか。本調査の回答パターンから、若干の洞察が可能です。
投資経験者の比率(55.9%)と、これら三つの用語を「人に説明できる」という層の合計(およそ30%)を比較すると、投資経験者の方が理解度を有する層よりも多いことが分かります。これは、一定程度の知識不足のままで投資を始める人が相当数いること、あるいは投資経験を積むことで徐々に理解が深まることを示唆しています。
いずれにせよ、投資判断が完全な理解に基づいていないケースが多く存在することは、リスク管理の観点から注視する必要があるでしょう。
今回の調査から見えてきたこと
本調査から明らかになったのは、高度な暗号資産関連概念に対する全般的な理解度の不足です。NFT、ステーキング、DeFiいずれの用語についても、約3人に1人程度しか説明できる程度の理解を有していないのが実状でしょう。この状況は、市場参加者の質的な向上と、より広い層の参入にとって大きな障害になっていると言えるでしょう。
特に気になるのは、DeFiの理解度が最も低いという点です。DeFiは将来の金融システムを大きく変える可能性を秘めた概念であるにもかかわらず、約8.5%のユーザーが聞いたことがないと答えており、認知度そのものが低い状況が明らかになりました。
さらに、投資経験の有無と理解度の関連性を見ると、投資経験者でもこれら3つの用語に対する理解が十分でないことが予測されます。これは、投資家が必ずしも最新技術や複雑な概念に基づいて投資判断を下していないことを示唆しており、市場効率性やリスク管理の観点から懸念される状況といえます。
まとめと提言
NFT、ステーキング、DeFiといった高度な暗号資産概念に対する理解度は、市場全体で低い水準に留まっています。このことは、当該分野の教育インフラが十分に整備されていないことを意味しています。
では、具体的にはどのような施策が必要でしょうか。第一に、これら概念を初心者にも理解しやすい形で説明するコンテンツの開発でしょう。複雑な技術を簡潔な言葉、図解、動画などで伝えることが重要です。複数段階の学習パスを用意し、初級者向けの基本概念から中級者向けの技術詳細まで、段階的に学習できる環境の構築が求められます。
第二に、取引所やプロバイダーによる、プロダクト内での教育的ガイダンスです。NFTマーケットプレイス、ステーキングサービス、DeFiプロトコルを利用する際に、ユーザーが学習できる環境を整備することが欠かせません。利用開始時のオンボーディング教育から、継続的な学習機会の提供まで、多層的なサポート体制の構築が必要です。
第三に、学校や公共機関による、より広い層への金融技術教育も必要です。暗号資産を理解することは、現代の金融リテラシーの一部となりつつあります。若い世代から高齢世代まで、全人口層への教育啓発が急務なのです。
本調査から見えてきたのは、多くのユーザーが「なんとなく知っている」レベルにとどまり、深い理解には至っていないという現実です。しかしそれは、あなただけの問題ではありません。市場全体の課題として、質の高い学習コンテンツへのアクセスがまだ十分ではないのです。まず「DeFi」「ステーキング」「NFT」のうち、自分が最も苦手な用語を一つ選んで、今日から集中的に学んでみることをおすすめします。理解が深まるほど、投資判断の精度も高まるはずです。
調査概要
項目 | 内容 |
|---|---|
調査名 | NFT・ステーキング・DeFi基礎用語理解度レポート |
調査時期 | 2026年2月 |
調査対象 | 1,314名(男性59.9%、女性40.1%) |
調査方法 | インターネット調査 |
調査機関 | 株式会社clabo編集部 |
対象世代 | Y世代37.9%, 氷河期28.2%, Z世代15.8%, バブル9.0%, 新人類6.2% |
投資経験者 | 現在投資中38.4%, 過去経験17.6%, 経験なし44.1% |
投資経験年数 | 1〜3年19.8%, 1年未満14.4%, 3〜5年12.8%, 5年以上8.3% |
本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。

