暗号資産市場がグローバル化するなか、国内取引所にはない銘柄やサービスを求めて、海外取引所を利用する保有者が急増しています。しかし、そこで得た利益の税務申告については、多くの課題が残されているのが現状です。

今回の自社調査の結果、海外取引所の利用経験者は全体の75.0%に達しているものの、利益が出た年に全ての申告を完了させている層はわずか31.6%にとどまっていることが判明しました。さらに、申告が必要だと認識しながらも申告していない層が約2割存在しており、保有者のコンプライアンス意識と実態の乖離が浮き彫りになっています。

本記事では、海外取引所を利用する保有者234名へのアンケートデータを基に、申告状況の詳細や未申告の原因、そして保有者が直面している実務上の障壁について専門的な視点から分析します。

利用経験者は75%に達し、現役層が主流

利用経験者は4人に3人の高水準

回答

回答数

割合

現在も利用している

148人

47.4%

過去に利用していた

86人

27.6%

利用したことはない

78人

25.0%

暗号資産取引を経験したことのあるユーザー312人を対象に、海外取引所の利用状況を詳細に調査しました。その結果、全体の75%にあたる234人が海外取引所を「利用したことがある」と回答しており、非常に高い普及率が示されました。特に「現在も利用している」と答えた層は47.4%に達し、国内取引所のみならず、海外拠点を日常的な取引の場として活用する保有者像が浮き彫りとなっています。

一方で「利用したことはない」と回答した層は25.0%にとどまっており、投資経験者の4人に3人は一度はグローバルな市場にアクセスしている実態が判明しました。海外取引所は、国内では取り扱いのない多様なアルトコインの存在や、高機能なチャート、柔軟なレバレッジ設定など、保有者にとって魅力的な選択肢となっています。より高度なリサーチ能力を持つ保有者ほど、情報の源泉に近い海外プラットフォームを積極的に選好する傾向にあると考えられます。

若年層から働き盛り世代まで幅広く浸透

年代

現在も利用している

過去に利用していた

利用したことはない

20代

33人

15人

11人

30代

47人

20人

24人

40代

36人

24人

17人

50代

22人

19人

22人

60代

5人

6人

3人

70歳以上

5人

2人

1人

年代別のデータを確認すると、30代が「現在も利用している」回答数で47人と、全年代を通じて最多の数値を記録しました。次いで40代が36人、20代が33人と続いており、20代から40代までの働き盛り世代が海外取引所のメインプレイヤーであることが鮮明になっています。この世代はデジタル技術への適応が早く、英語を主とする海外サービスのインターフェースに対しても、柔軟に対応していると推察されます。

一方で50代以降の層を見ても、利用経験者の割合は決して低くはなく、資産運用の一環として海外取引所をポートフォリオに組み込む動きが見て取れます。SNSや動画プラットフォームを通じて、海外の最新トレンドや特定の銘柄に関する情報が瞬時に拡散される環境が、若年層を中心とした高い利用率を支える大きな要因でしょう。世代を問わず、情報の取得速度が投資の成否を分けるという認識が共有されていることが、海外プラットフォームへの関心を高めているのかもしれません。

年収400万円以上の層で利用継続が目立つ

個人年収

現在も利用している

過去に利用していた

利用したことはない

200万円未満

45人

35人

22人

200〜400万円

38人

31人

23人

400〜600万円

41人

14人

22人

600〜800万円

12人

5人

6人

800〜1000万円

5人

1人

4人

1000万円以上

7人

0人

1人

個人年収別の利用状況を分析すると、年収200万円未満から600万円台までの幅広い層が、海外取引所で活発な取引を行っている現状が見えてきました。特筆すべきは年収400万円から600万円の層であり、この区分内において「現在も利用している」と回答した割合が高く、継続的な利用実態が確認できます。かつては特定の富裕層による投資という印象が強かった暗号資産ですが、実際には一般的な所得水準の個人保有者が市場を支える中心となっていることが分かります。

年収1,000万円を超える高所得層においては、絶対的なサンプル数は少ないものの、そのほとんどが現在進行形で海外取引所を利用しています。資産保全や収益機会の最大化を狙う姿勢が顕著であり、海外取引所を戦略的に活用している様子がうかがえます。暗号資産は少額から世界中の資産にアクセスできるため、所得の多寡に左右されず、個々人のリスク許容度に応じた多様な投資戦略を実行できる点が普及を後押ししています。

性別を問わず海外拠点の活用が進む

性別

現在も利用している

過去に利用していた

利用したことはない

男性

98人

52人

55人

女性

50人

34人

23人

性別によるクロス集計の結果、男性の47.8%、女性の46.7%が、海外取引所を「現在も利用している」という結果が得られました。この均衡した数値は、海外取引所の利用において、もはや性別による参入障壁や嗜好の差がほとんど存在しないことを如実に物語っています。かつては男性比率が極端に高い分野であった暗号資産界隈ですが、コミュニティの成熟や情報の民主化が進んだことで、女性保有者の定着が目覚ましい勢いで進んでいます。

「利用したことはない」層の割合も、男性が26.8%に対し女性が21.5%と、女性の方がわずかに低い傾向さえ見られます。グローバルな取引環境を自らの意思で選ぶ保有者の姿勢には、性差が影響していないことが分かります。信頼できる専門メディアやSNSの普及により、誰もが高度な取引環境へ等しくアクセスできるようになったことが、このような利用率を生み出した背景にあるはずです。市場参加者の多様化は、暗号資産エコシステムに多角的な視点をもたらし、より健全な市場形成に寄与していくことが期待されます。

「意図的な未申告」は2割と制度理解の不足が浮き彫り

「利益が出た年は全て申告」は3割

申告状況

回答数

割合

一部の年のみ申告した

81人

34.6%

利益が出た年は申告している

74人

31.6%

申告が必要だと知りつつ、申告していない

44人

18.8%

申告が必要だと知らなかった

19人

8.1%

判断できない

16人

6.8%

海外取引所を利用して利益を得た保有者234名のうち、すべての利益を正しく申告していると回答したのは31.6%にとどまりました。最も多かった回答は「一部の年のみ申告した」の34.6%であり、継続的な申告の難しさが浮き彫りになっています。さらに、申告が必要と認識しながらも「申告していない」層が18.8%存在しており、約5人に1人が意図的に未申告の状態にあるという深刻な実態が判明しました。

「知らなかった」と答えた8.1%と合わせると、多くのユーザーが税務上の義務を完全に履行できていない現状があります。海外取引所であっても、日本居住者であれば得た利益に対して納税の義務が発生することは、国税庁の指針でも明確に示されています。暗号資産市場が拡大する一方で、個人の税務コンプライアンス意識や制度への理解が追いついていないことが、未申告層を生み出す要因となっているようです。

4割以上が「国内取引所との扱いの違い」を誤認

判断に至った主な理由(複数回答)

回答数

割合

国内取引所と扱いが違うと思っていた

99人

42.3%

情報が少なく、判断できなかった

92人

39.3%

利益額が少ないと思っていた

75人

32.1%

海外取引所の利益も申告対象だと理解していた

62人

26.5%

申告方法が分からなかった

52人

22.2%

特に深く考えたことはなかった

23人

9.8%

あてはまるものがない

16人

6.8%

前述の申告状況に至った理由を尋ねたところ、「国内取引所と扱いが違うと思っていた」という回答が42.3%で最多となりました。国内の暗号資産交換業者は日本の法規制下にあり、取引履歴の提供なども標準化されていますが、海外拠点は別物と捉えてしまう保有者が非常に多いことがわかります。また、39.3%のユーザーが「情報が少なく判断できなかった」としており、海外取引所特有の計算ルールや税務上の扱いに戸惑っている様子が顕著です。

利益額を過少に見積もっていたとする回答も3割を超えており、少額であれば申告は不要という誤った解釈が広まっている可能性も否定できません。実際には、給与所得がある個人の場合、暗号資産を含む副収入が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。申告対象であると正しく理解していた層は26.5%にとどまっており、正しい情報の普及が急務であるといえます。

30代から40代に多い未申告層

年代

全ての年で申告

一部のみ申告

知りつつ申告なし

知らなかった

判断不可

20代

16人

24人

5人

2人

1人

30代

21人

22人

16人

5人

3人

40代

17人

17人

14人

6人

6人

50代

12人

14人

3人

6人

6人

60代

4人

2人

5人

0人

0人

70歳以上

4人

2人

1人

0人

0人

年代別のクロス集計では、30代と40代において「知りつつ申告していない」と答えた人がそれぞれ16名、14名と、他の年代を圧倒する結果となりました。この層は海外取引所の利用率も高い現役の保有者層ですが、同時に税務リスクを最も抱えているグループであることが浮き彫りになっています。取引頻度が高く、計算が複雑化しやすいことも、申告をためらう心理的なハードルになっていると考えられます。

対照的に、20代では「一部のみ申告」の割合が高く、不完全ながらも申告に取り組もうとする姿勢がうかがえます。また、50代以上では「判断不可」や「知らなかった」とする割合が若年層より高くなる傾向があり、知識の格差が直接的に申告行動を阻害している可能性があります。自身のキャリアや社会的な信用を考慮すれば、働き盛り世代ほど税務当局からの指摘を受けるリスクは避けるべきであり、正確な知識のアップデートが求められます。

年収800万円未満の層に集中する未申告

個人年収

全ての年で申告

一部のみ申告

知りつつ申告なし

知らなかった

判断不可

200万円未満

24人

29人

14人

5人

8人

200〜400万円

19人

26人

15人

6人

3人

400〜600万円

18人

20人

11人

3人

3人

600〜800万円

7人

3人

4人

2人

1人

800〜1000万円

1人

2人

0人

3人

0人

1000万円以上

5人

1人

0人

0人

1人

年収別の分析においても、年収800万円未満の層に「知りつつ申告していない」回答が集中しています。高所得層である年収1,000万円以上の保有者は、大半が申告を完了させており、資産管理に対する意識の高さがうかがえます。一方、中低所得層においては、専門家へ計算を依頼するコストが見合わないと感じたり、独力での計算が困難であったりすることが、未申告を招く一因となっていると推察されます。

特に年収200万円未満から400万円の層では、一部のみの申告や未申告が目立ち、税務コンプライアンスの維持に苦慮している実態が見て取れます。海外取引所を利用する場合、日本円への換算作業や国内取引所との損益通算など、事務的な負担は決して軽くありません。しかし、納税は国民の義務であり、所得の多寡に関わらず適切な申告は不可欠です。簡易的な計算ツールの活用や、情報の整理が、この層の申告率を向上させる鍵となるでしょう。

一度きりではなく何度も悩む保有者が3割

迷った経験

回答数

割合

一度は迷った

122人

52.1%

何度も迷った

70人

29.9%

迷ったことはない

30人

12.8%

覚えていない

12人

5.1%

海外取引所の利益申告について「迷った経験」を調査したところ、実に82.0%ものユーザーが何らかの迷いを感じていることが判明しました。「一度は迷った」が52.1%、「何度も迷った」が29.9%となっており、取引を重ねる中で継続的に疑問が解消されない状況が浮き彫りになっています。「迷ったことはない」と言い切る層はわずか12.8%であり、海外取引所を利用するほぼすべての保有者が、税務という壁に突き当たっていると言っても過言ではありません。

何度も迷うという回答が3割近くに達している点は、海外取引所の利益計算や申告方法がいかに難解であるかを象徴しています。毎年の法改正や、DeFi、NFTといった新しい取引形態の出現が、既存の知識をすぐに陳腐化させてしまうことも要因の一つでしょう。保有者が安心して取引を続けるためには、こうした「迷い」を払拭できる、信頼性の高い具体的なガイドラインやサポート体制が不可欠であると考えられます。

情報の信頼性と「日本円換算」の難解さ

ニュースサイトが最大の情報源

情報源(複数回答)

回答数

割合

ニュースサイト

128人

54.7%

SNS(X、YouTube、TikTokなど)

104人

44.4%

仮想通貨の専門メディア

98人

41.9%

取引所や公式サービスの案内

89人

38.0%

税理士や会計の専門家の発信

58人

24.8%

特に調べていない

16人

6.8%

海外取引所の税務情報をどこから得ているか調査したところ、「ニュースサイト」が54.7%で最多となりました。次いでSNSが44.4%となっており、断片的な情報の組み合わせで判断を下している保有者の姿が浮き彫りになっています。専門家である税理士や会計士の発信を参考にしている層は24.8%にとどまっており、情報の正確性よりも「手軽さ」が優先されている現状があります。

海外取引所特有の複雑な税務判断を、一般的なニュース記事やSNSの投稿だけで完結させるのはリスクが伴います。特に法改正や当局の運用方針の変更などは、専門的な知識がなければ正しく解釈できないケースも少なくありません。信頼できる専門メディアや、公式な案内を優先的に参照するリテラシーの向上が、結果として保有者自身の資産を守ることにつながります。

複雑な計算プロセスが申告意欲を削ぐ

不安に感じていた点(複数回答)

回答数

割合

日本円換算の方法が分からなかった

102人

43.6%

計算方法が分からなかった

91人

38.9%

申告方法が難しそうだと感じた

80人

34.2%

そもそも申告対象か分からなかった

56人

23.9%

後から問題になるのが不安だった

51人

21.8%

特に不安はなかった

27人

11.5%

申告における具体的な不安要素としては、「日本円換算の方法」を挙げる声が43.6%で最も多くなりました。海外取引所ではステーブルコインやビットコイン建ての取引が主流であり、各取引時点の時価を日本円に引き直して計算する作業は、非常に煩雑です。「計算方法そのものが分からない」とする回答も38.9%に達しており、実務上のハードルの高さが申告を阻む最大の要因であることが確認できます。

「後から問題になるのが不安」という回答も2割を超えており、不備を恐れるあまり申告を躊躇するという皮肉な状況も推察されます。しかし、計算の誤りは修正が可能ですが、無申告はより重いペナルティの対象となります。正確な換算レートの取得方法や、自動計算ツールの活用方法など、保有者が直面する実務的な課題を解消するための情報の整理が強く求められています。

投資規模が10万円を超えると申告意識が向上

投資規模

全ての年で申告

一部のみ申告

知りつつ申告なし

知らなかった

判断不可

1万円未満

18人

16人

7人

7人

8人

1万円〜10万円未満

22人

42人

17人

5人

0人

10万円〜50万円未満

23人

21人

13人

2人

1人

50万円以上

11人

1人

5人

1人

1人

答えたくない

0人

1人

2人

4人

6人

当時の投資規模と申告状況の相関を見ると、投資額が10万円を超える層において「全ての年で申告している」割合が高まる傾向にあります。特に50万円以上の層では、半数以上が適切に申告を行っており、運用額が大きくなるほど法的リスクへの感応度が高まることがうかがえます。一方、10万円未満の層では「一部のみ申告」や「知らなかった」とする割合が高く、少額投資ゆえの油断や、手続きの手間に見合わないという感覚が支配的であるようです。

また、暗号資産を始めて1年から3年未満の中堅層が全体の35.4%を占めており、この層が最も実務上の壁に直面しています。ある程度の経験を積み、取引が複雑化し始める時期こそ、税務面での正確な知識が必要になります。投資規模の拡大は収益機会を増やす一方で、管理責任も重くなることを意識し、早期から申告体制を整えることが長期的な投資継続の鍵となります。

正しい納税への道筋は判定チェックや具体例

判定チェック方法へのニーズが最多

回答

回答数

割合

申告対象かどうか判断できるチェック方法

86人

27.6%

海外取引所特有の注意点の整理

78人

25.0%

具体例を使った分かりやすい解説

67人

21.5%

計算方法やツールの紹介

33人

10.6%

特に必要としていない

33人

10.6%

専門家に相談できる情報

15人

4.8%

暗号資産取引を経験している保有者312人を対象に、今後どのような情報があれば正しく申告できると感じるか調査しました。その結果、「申告対象かどうか判断できるチェック方法」が27.6%で最多となり、自身の取引が納税義務に該当するかどうかの「入り口」で悩む姿が浮き彫りになりました。次いで「海外取引所特有の注意点の整理」を求める声が25.0%に達しており、国内取引所との仕組みの違いを整理したいというニーズが非常に高いことが分かります。

保有者の多くは、納税の意思はあるものの、複雑なルールの中で何が正解なのかを測る「物差し」を求めています。特に、ステーキング報酬やハードフォークによる配布など、海外取引所で頻繁に発生するイベントの税務判断は、専門知識がない個人には極めて困難です。ユーザーが自身の状況を入力するだけで、申告の要否を客観的に判断できるようなセルフチェック機能やフローチャートの提供が、コンプライアンス遵守の鍵となるはずです。

30代・40代は「注意点の整理」を重視

年代

チェック方法

注意点の整理

具体例解説

計算方法/ツール

専門家相談

不要

20代

23人

13人

7人

11人

3人

2人

30代

22人

29人

20人

4人

5人

11人

40代

19人

21人

18人

10人

3人

6人

50代

17人

11人

14人

5人

4人

12人

60代

3人

3人

4人

3人

0人

1人

70歳以上

2人

1人

4人

0人

0人

1人

年代別で見ると、取引が活発な30代と40代において「海外取引所特有の注意点の整理」を求める割合が高いことが分かりました。この世代は実際に多岐にわたる取引を行っているため、表面的な解説ではなく、実務に即した深い情報を必要としています。一方、20代では「チェック方法」が突出しており、まずは自身の状況把握から始めたいという、若年層らしい初歩的なニーズが確認できます。

「具体例を使った分かりやすい解説」への需要も、30代・40代を中心に全年代で一定数存在しており、抽象的な税法の説明よりも、ケーススタディ形式の情報のほうが理解を得られやすいことが推察されます。税務という難解な分野において、自身の取引パターンに合致するモデルケースが示されることは、申告への心理的ハードルを大きく下げることにつながります。情報提供側には、単なるルール解説にとどまらない、よりユーザーの取引実態に寄り添ったコンテンツ制作が求められています。

男性は「チェック方法」と「注意点」、女性は「専門家相談」

性別

チェック方法

注意点の整理

具体例解説

計算方法/ツール

専門家相談

不要

男性

60人

57人

39人

25人

5人

19人

女性

26人

21人

28人

8人

10人

14人

性別によるニーズの差を分析したところ、男性は「チェック方法」や「注意点の整理」といった、ロジカルに問題を解決するための情報を強く求めていることが判明しました。男性保有者の多くは、まずは自分で納得のいく基準を見つけ出し、自力で解決への道筋を立てたいという志向が強いと考えられます。対照的に、女性は「専門家に相談できる情報」を挙げる割合が男性の2倍に達しており、第三者の確実なアドバイスを求める傾向が見て取れます。

また、女性では「具体例を使った分かりやすい解説」のニーズも非常に高く、情報の分かりやすさと正確性の両立が重視されています。性別を問わず共通しているのは、不透明な現状を打破するための「具体的かつ信頼できる情報」を求めている点です。保有者のタイプに合わせて、セルフ計算を助けるツールの紹介から、専門家への橋渡しとなるような窓口情報の整理まで、多角的なアプローチでの情報提供が市場全体の健全化に寄与していくでしょう。

まとめ

今回の自社調査の結果、暗号資産保有者の4人に3人が海外取引所の利用経験を持つという、極めて高い普及実態が明らかになりました。国内取引所にはない銘柄数やレバレッジ取引、DeFi(分散型金融)へのアクセスといった利便性が、保有者を海外プラットフォームへと駆り立てています。

しかし、その一方で利益が出た年に全ての申告を完了させている層はわずか3割にとどまり、保有者のコンプライアンス意識と実態の深刻な乖離も浮き彫りになりました。

この背景には、「国内取引所と扱いが違う」という根深い誤解や、情報の圧倒的な不足があります。4割以上の保有者が海外取引所での申告義務を正しく認識できておらず、実務面でも「日本円換算」の複雑さが申告意欲を削ぐ大きな壁となっています。

特に30代や40代の現役世代ほど税務リスクを抱えやすい傾向が示されており、将来的な社会的信用を守るためにも正確な知識のアップデートが急務です。

適正な納税は、暗号資産が社会的な市民権を得るための避けては通れないプロセスです。自身の取引が申告対象か判断できるチェック方法や、海外取引所特有の注意点を整理した情報の活用が、今後の健全な投資継続には欠かせません。